トレーニング用語を徹底解説|初心者が知るべき厳選キーワード

ジムやネットで飛び交う言葉を理解すれば、成長のスピードは加速する


まずは言葉を知ることから始まる

ジムやネットを眺めていると、専門用語がやたらと出てくる。
「コンパウンド」「RPE」「ドロップセット」──聞いたことはあっても、意味までは説明できない人も多いはずだ。

でも、これらの言葉は知識として持っておくだけでトレーニングがずっと分かりやすくなる。
種目の選び方や負荷の調整、追い込み方まで、理解しているかどうかで効率が大きく変わってくるからだ。

ここでは、初心者がまず押さえておきたい代表的なトレーニング用語をまとめた。
用語を知っているだけで、ジムでの時間がもっと実りあるものになるだろう。


コンパウンド種目(Compound Exercise)

説明
複数の関節や筋肉を同時に使う多関節運動。スクワット、ベンチプレス、デッドリフトなどが代表的。

活用シーン・効果
大きな筋群を一度に刺激できるため、筋肉量を増やしたい人には必須。扱える重量も大きく、全身の基礎を作るのに効果的。

ポイント
「全身で押す・引く」が目安。初心者はまずコンパウンドから覚えると効率が良い。


アイソレート種目(Isolation Exercise)

説明
一つの関節だけを動かす単関節運動。アームカールやレッグエクステンションが代表例。

活用シーン・効果
狙った部位を集中的に鍛えられる。弱点補強や仕上げの種目として有効。

ポイント
「ピンポイントで効かせる」のが目的。コンパウンドと組み合わせて使うとバランスが取れる。


フリーウエイト(Free Weight)

説明
ダンベルやバーベルのように、軌道が固定されていない重量器具を使うトレーニング。

活用シーン・効果
バランスを取る必要があるため、多くの筋肉を同時に鍛えられる。フォームが身につきやすく、実用的な力も伸びる。

ポイント
安全性はマシンより低いので、重量設定や補助に注意。正しいフォームを優先すること。


マシントレーニング(Machine Training)

説明
軌道や動作があらかじめ固定されたマシンを使ったトレーニング。チェストプレスやラットプルダウンなど。

活用シーン・効果
安全性が高く、初心者でも動作を習得しやすい。狙った部位に負荷を集中させやすいのも特徴。

ポイント
フリーとの対比で理解するとわかりやすい。基礎を作る時はフリー、仕上げや補助でマシン、と使い分けるのが一般的。


1RM(One Repetition Maximum)

Photo by Corey Young on Unsplash

説明
1回だけ挙上できる最大重量のこと。ベンチプレスやスクワットで「限界の1回」を測る基準。

活用シーン・効果
トレーニングの負荷設定の目安になる。例えば「1RMの70%で10回」といったように、計画的に強度を調整できる。

ポイント
実測は危険も伴うので、通常は計算や換算表を使う。あくまで“目安”と考えるのが安全。


RM換算(Repetition Maximum)

説明
「最大で〇回できる重量」という考え方。例:10RM=10回で限界を迎える重量。

活用シーン・効果
1RMを直接測らなくても、何回できたかで強度を推定できる。実践的な負荷管理に使える。

ポイント
人によって回数と重量の関係は少しズレる。表は便利だが、自分の感覚と合わせて使うと精度が高い。


RPE(Rate of Perceived Exertion / 主観的運動強度)

説明
「あと何回できそうか」を10段階で表す指標。RPE10=限界、RPE8=あと2回できそう。

活用シーン・効果
その日の体調に合わせて強度を調整できる。無理な重量設定を避けながら、安全に成長できる。

ポイント
数字に慣れるまでは難しいが「余力を数値化する感覚」を持てると、トレーニングの質が安定する。


プログレッシブオーバーロード(Progressive Overload / 漸進性過負荷の原則)

説明
少しずつ重量・回数・セットを増やし、体に新しい負荷を与え続けることで成長を促す原則。

活用シーン・効果
筋肥大・筋力アップの基礎となる考え方。長期的なトレーニング計画の根幹を支える。

ポイント
「前回より少しだけ強く」がキーワード。無理に跳ね上げず、小さな進歩を積み重ねることが重要。


ポジティブ動作(Concentric Contraction / コンセントリック収縮)

説明
筋肉が縮みながら力を発揮する動作。重りを持ち上げるフェーズにあたる。例:ベンチプレスでバーを押し上げる、アームカールでダンベルを持ち上げる。

活用シーン・効果
重量を動かす主体となる動作で、筋力向上のメイン刺激になる。スピードを意識すると瞬発力の向上にもつながる。

ポイント
勢い任せにせず、狙った筋肉を意識して動かすこと。雑になるとケガや非効率につながる。


ネガティブ動作(Eccentric Contraction / エキセントリック収縮)

説明
筋肉が伸びながら力を発揮する動作。重りを下ろすフェーズにあたる。例:ベンチプレスでバーを胸に下ろす、スクワットでしゃがむ。

活用シーン・効果
筋繊維へのダメージが大きく、筋肥大の刺激として特に有効。ネガティブを意識するだけで効き方が変わる。

ポイント
重りを“落とす”のではなく“コントロールして下ろす”のが大切。フォーム習得や安全性にも直結する。


ドロップセット(Drop Set)

説明
限界まで行ったあとに重量を下げて、休まずにもう一度限界まで行う方法。

活用シーン・効果
筋肉を追い込み、強烈なパンプ感を得られる。短時間で効率よく刺激を増やしたいときに有効。

ポイント
やりすぎは回復を妨げる。仕上げの1〜2セットに取り入れるのがベスト。


スーパーセット(Super Set)

説明
異なる種目を休まずに連続で行う方法。例:ベンチプレスとバーベルローを交互に。

活用シーン・効果
時短になり、拮抗筋(押す筋肉と引く筋肉)をバランスよく鍛えられる。トレーニングの密度が上がる。

ポイント
全身が疲れやすいので、目的や体力に合わせて活用する。初心者はまず基礎フォームを優先。


サーキットトレーニング(Circuit Training)

説明
複数の種目を休まずに順番に行い、全身を鍛える方法。ジムやフィットネスクラブでよく導入されている。

活用シーン・効果
筋力だけでなく心肺機能も鍛えられる。減量期や基礎体力づくりに最適。

ポイント
重量は軽めにして回数や時間を優先。無理に高重量でやるとフォームが崩れる。


レストポーズ(Rest Pause)

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説明
限界まで行ったあとに短い休憩(10〜20秒程度)を入れ、再び同じ重量で数回追加する方法。

活用シーン・効果
一度では到達できない回数を積み重ねられる。高重量でもボリュームを稼げる。

ポイント
高強度なのでやりすぎ注意。中級者以上向けのテクニック。


チーティング(Cheating)

説明
反動や他の筋肉を使って重量を持ち上げるテクニック。アームカールで腰を使って挙げるなど。

活用シーン・効果
限界を超えて刺激を与えられる。強度の高いセットで経験者が使うことが多い。

ポイント
“ズル”ではなくテクニック。ただしフォーム崩壊と紙一重なので、基本は正しい動作を優先する。


結び

トレーニング用語は、ただ知識として覚えるためのものではない。
意味を理解すれば、重量の設定も、フォームの意識も、追い込み方もはっきり見えてくる。

成長を早めるのはセンスでも才能でもなく、正しい方法を積み重ねることだ。
専門用語はそのための地図になる。

一つひとつの言葉を、自分のトレーニングに結びつけてほしい。
それができれば、ジムで過ごす時間は、確実に成果へと変わっていく。


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