脚から逃げるうちは、何も変わらない。
下半身を極めたとき、全身の伸び代が動き出す。
脚トレがきつい理由|それは全力で動いているから
脚のトレーニングは、なぜここまできついのか。
それは単純に、動員される筋肉量が圧倒的だからだ。
スクワットやランジといった基本種目でさえ、
太もも(大腿四頭筋・ハムストリングス)・お尻(大臀筋)・ふくらはぎ(腓腹筋)・体幹…
全身をフル稼働させる。
さらに、脚の筋肉は身体の中でもっとも大きい。
大きな筋肉を動かせば、当然エネルギー消費も多くなる。
酸素も必要になる。心拍も上がる。
結果、短時間で「全力ダッシュした後のような」状態になるのだ。
加えて、神経系の消耗も大きい。
重いバーベルを担ぎながら、フォームを保ち、バランスを取り、全力で立ち上がる。
これは脳と神経をフルで使う動きだ。
──だからこそ、脚トレはキツい。
でも裏を返せば、それだけ「効果が高い」ということでもある。
なぜ脚を鍛えるべきか|それは全身に火がつくからだ
脚を鍛えると、体は部分的ではなく全体的に変わる。
まず、筋肥大を後押しするホルモンが爆発的に分泌される。
脚トレ後にテストステロンや成長ホルモンが多く出るのは、研究でも示されている。
その影響は脚だけでなく、肩も胸も腕も、すべてに及ぶ。
次に、代謝が上がる。
脚の筋肉量は大きく、増えればそれだけで基礎代謝が底上げされる。
つまり、脚を鍛えることは燃焼力のある体を手に入れることでもある。
さらに、全体の張りが変わる。
上半身だけ鍛えても、下半身が貧弱ならバランスが崩れ、見た目の完成度も落ちる。
脚を鍛えることで、全身の「支え」と「土台」が強化される。
脚をやらない者には、体の伸び代が半分しかない。
全身を変えたいなら、脚から火をつけろ。
脚トレが鍛えるのは、筋肉だけじゃない
脚トレを継続できる人間は、他の部位も妥協しない。
それは精神を削るトレーニングだ。
バーベルを担いでしゃがみ込み、立ち上がる。
その動作を10回、15回と繰り返す。
終わった頃には、吐き気と頭痛、呼吸困難寸前の疲労が押し寄せる。
──それでも向き合う。逃げずに、やり切る。
この経験は、他の部位のトレーニングにそのまま活きる。
腕のパンプ、胸のストレッチ、背中の収縮──
限界を超える感覚を知っている者だけが、本当の追い込みを理解できる。
脚を追い込める人間は、すべてを追い込める。
フォームの乱れ、甘さ、意志の弱さ。
脚トレは、それらをすべて炙り出す。
脚で心を鍛えろ。
そこに、トレーニングの本質がある。
具体的に取り入れたい脚トレ種目

Photo by Sergio Carpintero on Unsplash
脚トレに取り組むなら、フォームを意識しながら以下の種目を取り入れていこう。
・バーベルスクワット
キング・オブ・エクササイズ。
大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋・体幹すべてを動員。
正しいフォームで丁寧にしゃがみ込め。
・ブルガリアンスクワット
片脚種目でバランス感覚と筋力を同時に強化。
可動域も深く取りやすく、ヒップラインや太もも裏にしっかり効かせられる。
・レッグプレス
膝や腰に不安がある人でも高重量を扱える。
筋肉への集中度を高め、安全に追い込める種目。
・ヒップスラスト
見た目の印象を左右するお尻に直撃。
下半身の安定感と爆発力を高める。
・スタンディングカーフレイズ
見落とされがちだが、足元まで仕上げるために必須。
立体感あるふくらはぎは、パンツ姿を引き締めてくれる。
まとめ
脚を鍛えると、体が変わる。
体が変わると、心が変わる。
脚トレの前は、誰だって憂うつだ。
逃げたい。休みたい。──でも、それは本気で追い込んでいる証拠でもある。
やり切ったあと、見上げる空はいつもより澄んでいる。
その苦しさの先にしか、手に入らないものがある。
全身を変えたいなら、脚から変えろ。
脚を制する者は、己を制する。