減量中のトレーニング設計ガイド

はじめに|「減量=トレーニングも変えるべき」理由

食事を変えるだけでは、減量はうまくいかない。
それと同じくらい重要なのが「トレーニングの設計」だ。

減量期はエネルギー摂取が制限されるため、筋肉にとっては不利な環境。
この状態で、無計画にトレーニング量を減らしたり、強度を落とすと──
筋肉は容赦なく削られていく。

体重が落ちたとしても、「ただ痩せただけ」になってしまうのはそのためだ。

引き締まった体を作るために大事なのは、“落とすこと”より“守ること”
そのための戦略が、減量中のトレーニングには必要だ。


1. 減量期の目的別トレーニング戦略

Photo by Kobe Kian Clata on Unsplash

筋肉を残す

減量中でも「筋肉に必要だ」と身体に思わせるには、それなりの刺激が必要だ。
おすすめは、中〜高重量での基本種目中心のメニュー
ボリュームを極端に削るより、「強度の確保」と「正確なフォーム」を意識しよう。

  • ベンチ・スクワット・デッドなどのコンパウンド種目
  • 回数は6〜10回、セット数は最低限に絞る
  • フォームを崩さず、神経系の刺激をキープ

代謝を支える

日常の活動量(NEAT)も減量の鍵。
トレーニング外の「歩く・立つ・階段を使う」などの意図的な活動を増やすことで、
代謝を保ちながら、過剰な有酸素に頼らない減量ができる。

脂肪燃焼を加速

有酸素運動は補助的に使うのがベスト。
おすすめは筋トレ後の低強度有酸素(LISS)または、週1〜2のHIIT。
心肺機能向上にもつながり、次のバルク期にも好影響を与える。


2. 減量中の“やりすぎ”に注意するポイント

Photo by Michael DeMoya on Unsplash

トレーニング、有酸素、カロリー制限。
この3つをフルに詰め込むと、確実に身体は悲鳴をあげる

  • 疲労が抜けない
  • トレーニング強度が維持できない
  • 睡眠の質が落ちる

こうなると、筋分解が進み逆効果。

減量期こそ、「回復の設計」が最重要。
週に1日は完全休養日を設け、睡眠・ストレス・栄養状態をトータルで整える意識を持とう。


3. 減量期におすすめのトレーニング例(分割パターン)

Photo by Volodymyr Hryshchenko on Unsplash

週3〜4回のライトスケジュール

トレーニング初心者〜中級者、または仕事が忙しい人、疲労を感じやすい人におすすめ。
頻度は抑えつつ、強度はしっかりキープすることで、筋肉を守りながら減量が進められる。

例:

  • 月曜:上半身(プレス系中心)+軽い有酸素
  • 水曜:下半身(スクワット or ヒップヒンジ種目)
  • 金曜:全身(フォーム確認+可動域を重視した軽めの日)

ポイント:

  • 種目数は多くなくてOK(1部位あたり1〜2種目)
  • 疲労を持ち越さないことを最優先に
  • セット間の休憩や睡眠の確保を意識する

週5〜6回の高頻度パターン

上級者や、十分な回復ができる人に向いたプラン。
分割で部位ごとの疲労を分散しながらトレーニングを継続する。

例(Push/Pull/Legs):

  • 月曜:Push(胸・肩・三頭)
  • 火曜:Pull(背中・二頭)
  • 水曜:Legs(下半身)+有酸素
  • 木曜:休み or 軽いストレッチ/歩行
  • 金曜:Push
  • 土曜:Pull or Legs
  • 日曜:完全休養 or 低強度有酸素

有酸素の入れ方:

  • 朝の空腹時に20〜30分のウォーキング(週2〜3回)
  • 筋トレ後のクールダウンとして軽く実施
  • HIITは週1でOK(疲労の管理が大前提)

ポイント:

有酸素を入れすぎて筋トレのパフォーマンスが落ちないよう注意
疲労の蓄積には十分注意。

頻度が高いほど「疲労管理」が鍵になる

睡眠・食事・マッサージ・サウナなど回復も“トレーニング”の一部として捉える


まとめ|“落とす”だけじゃない、“残す”ための設計を

Photo by John Fornander on Unsplash

減量期はただ体重を減らす時間ではない。
本当にやるべきことは、「守り抜く」ことだ。

筋肉を守るトレーニング。
代謝を支える生活習慣。
やりすぎず、焦らず、整えながら進むこと。

その先には、“削られた”体ではなく、“選び抜かれた”体が残る。

減量期こそ、自分の身体と丁寧に向き合う時期。
トレーニングの“質”と“回復力”をコントロールする力が、そのまま理想の仕上がりへとつながっていく。

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