その「ゼロ」、本当にゼロ?
「ゼロカロリー」「糖質ゼロ」
この言葉に、どれだけ安心させられてきただろうか。
減量中、何かを口にするとき、
ふと目に入る「ゼロ」の文字。
「これなら大丈夫」と、つい手が伸びる。
だがその“ゼロ”、本当にゼロなのだろうか?
ゼロ食品の身近さと魅力
「ゼロ食品」と聞いて、思い浮かぶものはあるだろうか。
ゼロカロリーの炭酸飲料、糖質ゼロのチョコ、ノンオイルのドレッシング……
今やスーパーやコンビニには、“ゼロ”を冠した商品がずらりと並ぶ。
特に減量中の人にとって、「罪悪感なく食べられる」その響きは強力だ。
我慢が続く食生活の中で、“ご褒美”のような役割を果たしてくれるゼロ食品。
数字を見れば安心できる。そんな存在になっている。
けれど、そこで一度立ち止まって考えてみてほしい。
“ゼロ”と表示されていても、それは本当にゼロなのだろうか?
ゼロの定義と、その抜け穴

「ゼロカロリー」と書いてあれば、当然カロリーはゼロ。
「糖質ゼロ」とあれば、糖質もゼロ。
……そう思ってしまいがちだが、実は少し違う。
日本の食品表示ルールでは、
- 100mlあたり5kcal未満 →「ゼロカロリー」と表示OK
- 100gあたり0.5g未満の糖質 →「糖質ゼロ」と表示OK
つまり、“ゼロ”と書かれていても、実際には「少しだけ含まれている」ことが認められている。
さらに、「1本(500ml)」を飲めば、実際には数十キロカロリーになることもある。
これを1日1本、1週間、1ヶ月……と積み重ねれば、想像以上の差になる。
「数字のトリック」とまでは言わないが、
“ゼロ”という言葉の印象と実態の間にギャップがあるのは確かだ。
ゼロの裏側にあるもの

Photo by Ticka Kao on Unsplash
では、カロリーや糖質を抑えるために、ゼロ食品には何が使われているのか。
答えはシンプルだ。
人工甘味料や加工油脂、添加物など、ゼロに見せるための“工夫”が詰め込まれている。
たとえば:
- 甘さの正体は人工甘味料(アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなど)
→ 詳しくは 人工甘味料|ゼロカロリーの甘い罠 を参照 - 口当たりや風味を補うための加工油脂やリン酸塩
→ 加工油脂、リン酸塩 にも注意 - 見た目や香りをよくするための香料・着色料
→ 着色料・香料 の記事も参考に
もちろん、これらの成分すべてが直ちに害になるわけではない。
だが、「数字をゼロに見せるために何を使っているか?」という視点を持つことで、選び方は変わってくる。
整える視点で、ゼロを見る

Photo by Gareth Hubbard on Unsplash
「数字が小さい=身体にいい」とは限らない。
ゼロ食品は、たしかに減量中の“心の逃げ場”になることもある。
だが、それが本当に体を整えてくれる選択か?と問えば、考える余地はある。
- 原材料表示をきちんと見る
- “ゼロ”という言葉だけで判断しない
- どうしても摂るなら、量と頻度をコントロールする
この3つを意識するだけで、選択の質は変わってくる。
減量中でも、健康的な食生活を続けたい。
そう思うなら、「数字」ではなく「中身」に目を向けること。
それが結果的に、心と体の両方を整えてくれる。