「今日は休んだ方がいい」──その一言が、どうしても言えなかった
風邪気味で体調が万全じゃない。
仕事のトラブルで、寝不足つづき。
家族との用事があって、時間が取れない。
頭ではわかってる。今日は休むべき日だって。
でもジムに行かなかった自分に、妙な罪悪感が残る。
「1日でも空けたら筋肉が減るんじゃないか」
「努力してないって思われるかも」
「少しでもできることはやらなきゃ」──
そんな焦りとソワソワの中で、僕は今日も、ジムに行こうとしていた。

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“やめない美学”が、自分を削っていた
週6、時には週7。
かつての僕は「とにかく頻度」だった。
筋肉は裏切らない。やればやるほど伸びる。
そう信じて、日々のスケジュールを無理やり詰め込んでいた。
多少の寝不足も、多少の風邪っぽさも、「気合いでなんとかなる」。
ジムでバーベルを握ることで、何かを取り戻している気がしていた。
でも、ある日ふと気づく。
「最近、トレーニングが楽しみじゃなくなってる」
「身体の調子が、むしろ落ちてきてる」
やっている“つもり”で、
実はどこか削られている──そんな違和感が、静かに自分を蝕んでいた。
引く力で、身体が変わるときがある

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追い込みが悪いわけじゃない。
でも、伸びるためには“余白”が必要だった。
筋トレには「超回復」という考え方がある。
負荷をかけた筋肉は、一度ダメージを受ける。
そして休息の中で回復し、前より強くなる──この繰り返しが、身体を変えていく。
休みを削って、詰め込んでばかりいると、
回復が追いつかない。
フォームが崩れる。集中力が切れる。ケガのリスクも上がる。
本当に筋肉が育っていたのは、
よく食べて、よく寝て、じっくり回復していた時期だった。
そのとき、気づいた。
トレーニングは、“積む力”だけじゃなく、“引く力”も大切だって。
今日休んだ自分を、ちゃんと誇っていい

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「さぼってしまった」と思う日は、もしかしたら、
本当は“整える日”だったのかもしれない。
休むことを選んだあなたは、
筋トレを“続けるもの”にしようとしている。
ただの一時的な情熱じゃなくて、人生の中に根づかせようとしている。
焦りや不安を感じたとき、僕がよく思い出す言葉がある。
休んだ日は、筋肉が“育っている日”。
止まって見える時間も、ちゃんと前に進んでる。
焦らなくていい。今日の選択も、あなたをつくってる。
休みを肯定できた時、トレーニングが“味方”になる
いつでも全力じゃなくていい。
時には「今日は行かない」と決めることが、自分を守る強さになる。
もし、いま休むことに迷いがあるなら──
それは真剣に向き合ってる証拠。だからこそ、ちゃんと休んでいい。
ジムに行く日だけが、トレーニーじゃない。
休むことを肯定できた時、トレーニングはあなたの“味方”になる。