はじめに|怪我は、強さを試される“静かな時間”
怪我は、どれだけ気をつけていても起きてしまうもの。
避けたいと思っていたはずのその瞬間は、ふいにやってくる。
焦り、悔しさ、不安。
トレーニングが日常になっていた人ほど、その喪失感は大きい。
でも──
立ち止まったからこそ、見えるものがある。
この時間を、ただの“空白”にしないために。
AGFらしく、心を整えるヒントを届けたい。
1. 焦りや不安は、悪ではない

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「早く復帰しなきゃ」
「周りはどんどん進んでる」
「またゼロからやり直し…?」
怪我をすると、こんな感情が渦を巻く。
だがそれは、トレーニングを本気で続けてきた証でもある。
焦りや不安は、無理に押さえ込む必要はない。
むしろ、その感情を経験することこそが、長く鍛える人間に必要な強さなのかもしれない。
感情は“敵”ではなく、“通り過ぎる風”のようなもの。
無理に押し返すより、一歩引いて眺める心の余白を持とう。
2. 他人と比べない。過去の自分とも、戦わない。

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怪我中、ふとスマホを開くと、
元気にトレーニングしている人たちの投稿が目に入る。
数ヶ月前の自分の体の写真や、MAX記録を見返して落ち込むこともある。
でも今は、比較や競争から距離を置く時間。
今の自分に必要なのは「進むこと」ではなく「立て直すこと」
過去の自分も、周りの誰かも、目標ではない。
目指すべきは、「怪我を乗り越えて、また進める自分」。
SNSの通知を切るのもいい。
鏡の前で、無理にポーズを取らなくてもいい。
比べないことも、立派な選択だ。
3. 今できることに集中する

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トレーニングができない=やることがなくなる、ではない。
怪我中にこそ、整えられることがある。
- 食事管理(体脂肪コントロール・筋量維持)
- 睡眠の質を高める習慣
- 読書・学習・自己投資(身体以外の“土台”を強く)
- 軽度のリハビリ・モビリティトレーニング
「何もできない」じゃない。
「今、できることは何か」──そこに目を向けるだけで、立ち位置が変わる。
この姿勢が、回復後の加速を生む。
この時間は、やがて“力”になる
怪我は、望んだものではない。
でも、それが起きたときこそ、人の器は試される。
動けない時間は、決して“空白”ではない。
それは、“強さ”を育てる時間だ。
焦り、不安、孤独…そこに立ち止まったからこそ、
同じ場所でつまづく誰かに、手を差し伸べられるようになる。
つまづいたからこそ、つまづいた人の気持ちがわかる。
立ち止まったからこそ、立ち止まった人にやさしくなれる。
その優しさこそが、あなたをもっと強くする。