筋トレでハゲる?──トレーニーとAGAの本当の関係

1. 不安になる噂──「筋トレするとハゲる?」

トレーニングを真剣に続けていると、ふとした瞬間に耳に入ってくる言葉がある。

「筋トレしすぎると、ハゲるらしいよ」

SNSやネットの書き込み、ジム仲間の雑談、YouTubeのサムネイル…
そんな話を聞いて、一度でも不安になったことがある人も多いんじゃないだろうか。

たしかに、筋トレをしている男性には短髪の人も多く、
なかには頭髪が薄くなっている人も見かける。
それを見て「やっぱり筋トレってハゲるのか?」と感じてしまうのも無理はない。

でも、それって本当なんだろうか?
筋トレが原因で、髪は本当に薄くなるのか?

この問いに答えるには、まず「AGA(男性型脱毛症)」の正体と、
筋トレによって体内で起こる変化を、正しく理解する必要がある。


2. 結論:筋トレが直接の原因ではない

まず結論から言おう。

筋トレをしたからといって、直接的にハゲるわけではない。

よく話題にのぼるのが、「筋トレでテストステロンが増えるとDHT(ジヒドロテストステロン)が増えて、それがAGAを進行させる」という説。

たしかに、DHTはAGAの主な原因物質だ。
DHTが毛根の受容体と結びつくことで、ヘアサイクルが乱れ、髪が細く、短く、そして抜けやすくなる。

しかし、ここで誤解してはいけないのは
「テストステロンが増える=必ずDHTが増える」ではないということ。

DHTの量や感受性は、ほとんどが“遺伝”によって決まっている
つまり、筋トレをしているかどうか以前に、もともと薄毛になりやすい体質かどうかが大きいというわけだ。

さらに言えば、筋トレによって一時的にテストステロンが上昇しても、
それがDHTへ大きく変換されるとは限らない。
体内にはホルモンバランスを整える仕組みがあり、筋トレで急激に脱毛が進むような単純なものではない。

ネットの「筋トレ=薄毛」説は、科学的根拠よりも印象に引っ張られた“都市伝説”に近い。

では逆に、筋トレが薄毛対策になる可能性もあるとしたら━━


3. むしろ筋トレは薄毛対策にもなる?

筋トレ=ハゲる、というイメージが先行しがちだけど、
実は筋トレが間接的に“薄毛対策”になる要素も多い

■ 睡眠の質が上がる

Photo by Mustafa Fatemi on Unsplash

筋トレを習慣化すると、深い眠りにつきやすくなる。
睡眠中には「成長ホルモン」が分泌され、これは髪の成長にも関与している。
質のいい睡眠は、肌や筋肉だけでなく、頭皮環境にもプラスだ。

■ ストレスが減る

ストレスは、交感神経の緊張→血管収縮→頭皮の血流悪化につながり、
結果として脱毛リスクを高めるとされている。

筋トレは、エンドルフィン(幸福感をもたらす脳内物質)を増やし、
ストレス解消に効果的。
「ジムに行くと気持ちが軽くなる」という感覚は、まさにそれだ。

■ 血行が促進される

筋トレは、全身の血流をよくする。
血行がよくなれば、頭皮にも酸素と栄養が届きやすくなる。
もちろんこれだけでAGAが治るわけではないが、
“髪にいい土壌”をつくるという意味では見逃せないポイント。

■ 健康的な食事への意識が高まる

トレーニングを習慣化している人ほど、自然と食事にも気を使うようになる。
高タンパク・ビタミン・ミネラルを意識した食事は、
身体だけでなく、髪の健康にも欠かせない。


4. トレーニーにおすすめの薄毛対策

薄毛と向き合ううえで大切なのは、「今できること」に目を向けること。
遺伝の影響が大きいからこそ、“環境”と“習慣”でカバーできる部分を丁寧に整えていくのが基本だ。

■ 生活習慣の見直し

  • 食事:たんぱく質、亜鉛、ビタミンB群、鉄などを意識
  • 睡眠:6〜7時間以上を確保
  • ストレスケア:有酸素運動、瞑想、趣味の時間などを取り入れる

■ 頭皮ケアの習慣化

  • 洗浄力のやさしいシャンプーを選ぶ(アミノ酸系など)
  • 指の腹で優しく洗う、よく乾かすなど基本を徹底

■ 医療の力を活用する

  • 抜け毛や変化を感じたら、AGA専門クリニックへ相談
  • フィナステリド・ミノキシジルなど、医療的選択肢も視野に入れる
  • 早期対策が基本。「様子見」は最善ではない

「最近抜け毛が気になる…」そんなときは、まずは専門のクリニックで相談してみるのもひとつ。
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5. 強さとは、“見た目”以上のもの

Photo by Kobe Kian Clata on Unsplash

トレーニングを続けるなかで、誰しも一度は鏡に目をやる。
引き締まった腹筋、膨らんだ肩、浮き出た血管…
その変化に手応えを感じるからこそ、努力は続いていく。

でも、もしそこに「薄毛」という変化が現れたら?
不安になって、自信を失いそうになることもあるだろう。
だが、それでも前を向けるかどうかが、真の“強さ”を分ける。

髪があるかどうかで、自分の価値が決まるわけじゃない。
重要なのは、その現実とどう向き合い、自分らしく生きるかというスタンスだ。

鍛えた身体とともに、
悩みにもまっすぐ向き合える“静かな強さ”を、僕らは持っている。
それは見た目だけでは伝わらない、内側から滲み出る自信だ。

髪のことで悩むことがあっても、筋トレをやめる必要なんてない。
むしろそれをきっかけに、生活を整え、心と向き合うことができるのなら──
それはもう、誇るべき“前進”なのかもしれない。