──過去の自分との約束を、忘れていないか?
筋トレが続かない。
そんな日もある。やる気が出ない日。鏡を見ても変化が感じられない朝。
でも、それは意志が弱いからじゃない。
あの日の“理由”を、忘れているだけだ。
なぜ、あの日バーベルを握った?
きっかけは、小さな違和感だったかもしれない。
失恋した夜。何かを変えたくて。
写真に映った自分に、がく然として。
「このままじゃ終われない」と思った瞬間。
最初は、明確な理由があったはずだ。
たとえば、失恋をきっかけに始めた人もいる。
「見返したい」「かっこよくなりたい」
そう思って、バーベルを握った。
でも、時間が経てば傷は癒える。
新しい彼女もできて、痛みは薄れていく。
気づけば、筋トレを続ける理由が見えなくなっていた。
だけど、ふと思った。
今の彼女が惹かれたのは、「成長しようと努力する姿」だった。
その努力をやめたとき、また何かを失う気がした。
俺が筋トレを始めたのは、見返すためだった。
その理由は消えた。でも、成長する理由は、今もある。
成長すること自体が、俺の“理由”だったんだ。
筋トレを続けるのに必要なのは、「初心」というエネルギー
続かない理由は、スケジュールや食事じゃない。
一番の燃料だった“動機”が、薄れていくからだ。
思い出してほしい。
なぜ、あの日バーベルを握ったのか。
あのときの悔しさ。あのときの決意。
それこそが、自分を動かす本当のエネルギーだ。

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「目標」は未来との約束。「理由」は、過去との約束。
目標は、未来の自分と交わす約束だ。
「体脂肪10%になりたい」「80kgまで増量したい」——それは、大事なゴール。
でも、人を本気にさせるのは、過去との約束だ。
悔しくて眠れなかった夜がある。
「変わりたい」と願った瞬間がある。
忘れかけていた、原点。
過去の自分との約束を守れない男に、未来はつかめない。
筋トレは、「弱さ」と向き合う行為だ。
「強くなりたい」と思うのは、どこかに弱さがあるから。
でも、それを認め、進み続けること。それが、本当の強さだ。
筋トレは、ただ体を鍛えるだけじゃない。
弱さごと、引き受けて生きる覚悟をつくる行為だ。

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問い直せ。「なぜ始めた?」
やめたい日がある。面倒な朝もある。
それでも、自分に問い続けろ。
「なぜ、この道を選んだのか?」
「誰のために、バーベルを握っているのか?」
理由を思い出せれば、人はまた立ち上がれる。
筋トレは、生き方と向き合う行為だ。
その手を、離すな。
あの日の感情は、まだ消えていない。