見た目の変化は、体からの小さな警告。外側のケアだけでなく、内側から整える視点を持とう。
鏡を見たときに気づく、肌荒れや髪のパサつき。
「睡眠不足かな」「化粧水が合わないのかも」と思うことも多いですが、その裏には栄養不足が隠れている場合があります。
栄養はまず、心臓や脳など生命を守る臓器に優先的に使われます。
そのため肌や髪は後回しになりやすく、不足があると真っ先に見た目に現れるのです。
外側からのケアも大切ですが、根本から整えるには内側へのアプローチが欠かせません。
今回は、肌や髪に現れる不調を「体からのSOS」として捉え、栄養不足との関係を見ていきましょう。
肌や髪に現れる主な不調サイン
肌や髪の状態は、栄養不足の影響をダイレクトに受けやすい部分です。外側のトラブルに見えても、体内の栄養が足りていないことが原因の場合があります。代表的なサインを見ていきましょう。
- 肌荒れ・ニキビ
ビタミンAや亜鉛が不足すると、肌のターンオーバーが乱れやすくなります。皮膚の修復が追いつかず、炎症や吹き出物が出やすくなります。 - 乾燥肌
必須脂肪酸やビタミンEが不足すると、肌のバリア機能が低下します。保湿しても改善しない乾燥は、内側からのサインであることが多いです。 - 髪のパサつき・抜け毛
タンパク質や鉄が不足すると、髪のハリやコシが失われます。特にタンパク質は髪の主成分。慢性的に不足すると、抜け毛が増える原因になります。 - 爪の割れ・白い斑点
爪もまた、栄養不足が出やすい部分です。亜鉛不足は爪に白い斑点として現れることがあり、割れやすさや弱さにもつながります。
これらのサインは、見た目だけの問題ではなく、体内で必要な栄養が足りていないという「SOS」です。
栄養不足と体の関係
体は限られた栄養を、まず心臓や脳など生命維持に欠かせない臓器に優先的に使います。
そのため、肌や髪のように“生きるために直結しない部分”は後回しになりやすいのです。
この仕組みがあるからこそ、栄養不足は真っ先に見た目へ現れます。
乾燥や髪のパサつき、爪の変化などは、体の内側から「足りていない」という小さなサインです。
さらに、トレーニーにとって栄養不足は筋肉の回復や成長の妨げにもなります。
外見の不調だけでなく、パフォーマンスの低下やケガのリスクにもつながるため、放置は禁物です。
対策:摂りたい栄養素と食材例

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不足しがちな栄養素を知って、食材から補うことが大切です。代表的な栄養素とその食材をまとめました。
タンパク質
特徴: 肌・髪・爪の主成分で、修復と再生に欠かせない
食材例: 肉、魚、卵、大豆製品
ポイント: トレーニーは特に不足しやすいため、毎食に意識して取り入れる
ビタミンA
特徴: 皮膚や粘膜を守り、ターンオーバーを正常化する
食材例: にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、レバー
ポイント: 脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ると吸収率が高まる
ビタミンE
特徴: 強い抗酸化作用を持ち、血流を改善する
食材例: アーモンド、アボカド、オリーブオイル
ポイント: 「若返りのビタミン」とも呼ばれ、肌の乾燥予防にも有効
亜鉛
特徴: 皮膚や髪の新陳代謝を助け、免疫機能も支える
食材例: 牡蠣、牛赤身肉、ナッツ
ポイント: 不足すると肌荒れや爪の異常が出やすい。トレーニーにも必須
鉄
特徴: 酸素を運び、血行を支える。髪や爪の健やかさに必須
食材例: 赤身肉、レバー、ほうれん草
ポイント: 減量中のトレーニーは不足しやすいため注意
今日からできる小さな一歩
いきなり完璧に変える必要はありません。まずは小さな習慣から始めてみましょう。
- 毎食にタンパク質を確保する(手のひら1枚分を目安に)
- 緑黄色野菜を1品足す(油と一緒に)
- ナッツを一握り間食にする(食べすぎ注意)
- 週に2回は赤身肉や魚をメインにする
- 亜鉛が豊富な食材(牡蠣、赤身肉)を意識して選ぶ
受診の目安
セルフケアで整うことも多いですが、次のような症状が続く場合は医療機関に相談してください。
- 急な脱毛や円形の脱毛が続く
- 皮膚炎が広がる、痛みや発熱を伴う
- 強いだるさ、めまい、息切れを伴う貧血症状がある
- 食事改善を数週間継続しても全く改善が見られない
結び
肌や髪に現れる小さな不調は、体が送っているSOSです。
外側のケアと合わせて食事を整えることで、見た目だけでなく体全体の調子も良くなります。
不調を軽く扱わず、体からの声として受け止めましょう。
今日の食事を少し変えることが、明日の肌や髪、そして健康な自分をつくる第一歩になります。
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