めまい・ふらつきは要注意|トレーニーが知っておくべき体のサイン

ただの疲れでは片づけられない。隠れた不調やリスクを見逃さないために。


トレーニング中や日常生活で、ふと立ちくらみやめまいを感じたことはありませんか。
一時的な疲労や睡眠不足で起こることもありますが、めまい・ふらつきは体からの重要なサインである場合があります。

特にトレーニーは、急な体勢の変化、過度な減量、鉄分不足、水分・電解質不足などによって、めまいが起こりやすい環境にあります。
また、動悸や頭痛を伴う場合や、頻繁に繰り返す場合には、心臓や脳、耳の病気が隠れている可能性もあります。

本記事では、めまい・ふらつきの仕組みと原因を整理し、日常でできる対策と、医療機関に相談すべきサインについて解説します。
体の声を正しく受け止め、安心してトレーニングを続けるための知識を身につけていきましょう。


1. めまい・ふらつきが起こる仕組み

めまいやふらつきは「脳に十分な血液や酸素が届かない状態」で起こります。
人の体は血圧や血流を自動的に調整する仕組みを持っていますが、そのバランスが一時的に崩れると、視界が暗くなったり、体がふらついたりします。

代表的なメカニズムは次の通りです。

起立性低血圧

座った姿勢や寝ている状態から急に立ち上がると、血液が下半身にたまり、一時的に脳への血流が減ることで立ちくらみが起こります。

血糖値の低下

食事や補給が不十分だと、血糖値が下がり、脳へのエネルギー供給が不足してふらつきを感じることがあります。

内耳の不調

体のバランスをつかさどる内耳(三半規管)の異常によって、回転性のめまいが起こることがあります。

自律神経の乱れ

睡眠不足やストレスで自律神経がうまく働かないと、血圧や心拍数の調整が乱れ、めまいや動悸を伴うことがあります。

つまり、めまいやふらつきは単なる「疲れ」ではなく、血流や神経、平衡感覚に関わる複数の要因が関与する複雑な現象なのです。


2. トレーニーに多い原因

Photo by Pixels Of Life on Unsplash

急激な立ち上がり・血圧変動

トレーニング後の休憩やストレッチのあと、ベンチから立ち上がった瞬間にふらつくことがあります。
これは「起立性低血圧」と呼ばれる現象で、血液が一時的に下半身にたまり、脳への血流が減ることで起こります。
普段から筋肉量が多く、血液の循環量が大きいトレーニーほど起こりやすい傾向があります。

栄養不足(鉄分・水分・糖質など)

鉄分が不足すると、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンが減り、酸欠のような状態になりめまいが生じます。
また、汗で失われる水分や電解質(ナトリウム・カリウムなど)が不足しても、血流や神経伝達に影響し、ふらつきを感じやすくなります。
さらに減量中に糖質を制限しすぎると、脳のエネルギー源であるブドウ糖が足りず、集中力低下やめまいを引き起こします。

過度な減量・過労

大会前や減量期に急激に体重を落とすと、血圧や血糖値が安定しにくくなり、めまいが起きやすくなります。
また、仕事やトレーニングを詰め込みすぎて疲労が蓄積すると、自律神経のバランスが崩れ、立ちくらみやふらつきにつながります。

睡眠不足

成長ホルモンや自律神経の働きは睡眠中に整えられます。
睡眠不足が続くと、血圧や心拍数のコントロールが乱れ、日中にふらつきを感じることがあります。
さらに回復が不十分になり、疲労感と相まってめまいを悪化させることもあります。


3. 見逃してはいけないサインと受診の目安

めまいやふらつきの多くは、一時的な体調の乱れによるものです。
しかし中には、体が発している重大な警告であることもあります。次のような症状が見られるときは、軽視せず医療機関を受診しましょう。

  • 症状が長引く、頻繁に繰り返す場合
    何時間も続く、週に何度も起こるなど慢性的に繰り返す場合は、耳や神経系の異常が隠れている可能性があります。
  • 強い頭痛や吐き気を伴う場合
    脳の血流に異常がある可能性があり、脳梗塞やくも膜下出血など重大な病気の初期症状であることもあります。
  • 動悸や胸の圧迫感を伴う場合
    不整脈や心疾患など、循環器系のトラブルが背景にあるケースが考えられます。
  • 耳の異常を伴う場合
    耳鳴り、難聴、耳の詰まり感を伴うめまいは、メニエール病や内耳の炎症などが原因となることがあります。
  • 意識が飛びそうになる、一瞬でも失う場合
    脳への血流が著しく不足している可能性があり、緊急性が高い状態です。直ちに医療機関での診察が必要です。

めまい・ふらつきを「よくあること」と思って放置してしまうと、症状が悪化することもあります。
気になる症状があるときは、ためらわずに医師に相談することが、安心してトレーニングを続けるための第一歩です。


4. 日常でできる対策

Photo by David Behar on Unsplash

  • 栄養と水分の見直し
    鉄分を含む食品(赤身肉、レバー、ほうれん草など)を意識して摂りましょう。
    汗で失われる水分や電解質(ナトリウム・カリウム)は、スポーツドリンクや塩分を含む飲料で補うことが大切です。
    また、減量中でも糖質を極端に制限すると脳のエネルギーが不足し、ふらつきにつながります。必要量は確保しましょう。
  • トレーニング前後の工夫
    トレーニング後は急に立ち上がらず、数秒かけて姿勢を戻すと立ちくらみを防げます。
    さらに、強度の高いトレーニング前に軽く補食(バナナやプロテインドリンクなど)をとると血糖値が安定しやすくなります。
  • 休養と睡眠の確保
    疲労が強いときは無理にジムへ行かず、休養日にすることも大切です。
    また、6〜8時間の睡眠を目安に確保し、就寝前はスマホやカフェインを控えることで睡眠の質を高めましょう。

5. まとめ|体の声を正しく受け止める

めまいやふらつきは、体が発する小さなサインです。
一時的な疲労や血圧の変動によるものも多いですが、栄養不足や過度な減量、睡眠不足など、トレーニー特有の要因が隠れていることもあります。

さらに、強い頭痛や動悸を伴う場合や、繰り返し起こる場合は、重大な病気の前触れである可能性も否定できません。
そのサインを無視せず、必要に応じて医療機関を受診することが、安心してトレーニングを続けるための大切な一歩です。

大切なのは「疲れだから大丈夫」と思い込まず、体の声を正しく受け止めること。
休む、補う、相談する──その選択が、健康とパフォーマンスを守ります。


NEXT STEP