着色料・香料|“美味しそう”の裏にある違和感

その色と香り、“美味しさ”じゃなく“演出”かもしれない。


──その「美味しそう」、どこから来てる?

コンビニのスイーツが美味しそうに見える理由。
スポーツドリンクの爽やかな香りに惹かれる瞬間。
──それって、本当に“素材”の力なんだろうか?

トレーニングを習慣にし、食事の質を見直すようになると、
「高タンパク」「低脂質」「無添加」といったワードに自然と敏感になっていく。

でも実は、見落とされがちな添加物がある。
それが、「着色料」と「香料」だ。


着色料・香料とは?|視覚と嗅覚を“演出”する添加物

着色料や香料は、食品そのものの「質」を変えるものではない。
色や香りといった“印象”を整えるために使われている。

  • 見た目を鮮やかにして、購買意欲を刺激する
  • 加熱や保存で失われた風味や色を“補う”
  • フルーツ味・バニラ味・焼き立て感などを“再現する”

合成着色料(赤40、青1、黄4など)や、人工香料(エチルバニリン、アセトアルデヒドなど)は
「コストが安く、効果が強い」ため、加工食品に頻繁に使われている。


なぜ「整えたい人」が気をつけるべきか?

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たとえば──

  • 果汁が1%未満なのに「濃厚フルーツ味」のゼリー
  • 焼いてないのに“香ばしい”香りがするパン
  • 味は薄いのに“食べた気になる”サラダチキン

これらは、視覚と嗅覚に訴えかけることで“満足感”を演出している。
でも、それは身体にとっての本当の満足とは限らない。

過剰な香料や色素は、以下のような“感覚のズレ”を生む可能性がある:

  • 味覚の感受性が鈍る → 素材の自然な甘さや旨味を感じづらくなる
  • 香り=報酬と錯覚 → 食べても栄養が足りないのに、満たされた気になる
  • 加工食品への依存性が高まる → 自然な食材では“物足りなさ”を感じるように

その結果、食事の質を整えるつもりが、
知らず知らず“加工品に頼る習慣”を深めてしまうこともある。


食品表示での見つけ方|“色・香り”の裏にあるキーワード

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着色料と香料は、原材料表示の中で以下のように記載されていることが多い:

✔ 着色料

  • 「赤○号」「黄○号」「青○号」など(例:赤40、黄4)
  • 「カロチノイド」「クチナシ色素」など天然系もあるが、使用量や製法にはばらつきあり

✔ 香料

  • 多くは「香料」としか記載されず、成分の内訳は非公開
  • 「果実風味」や「バニラ香料」なども、実際は合成の場合が多い

つまり、「果汁」や「天然」の記載がなければ、人工的に作られた香り・色の可能性が高い。


完全回避より、“感覚を整える”選択を

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着色料や香料は、“毒”ではない。
ただし、“整えたい身体”にとっては、五感の感受性を乱す要因にもなり得る。

だから大切なのは、「全部避けること」ではなく、感覚のバランスを取り戻すことだ。

  • 甘さや香りが強い加工品は、週末の“ご褒美”に
  • 普段の食事は、素材に近い味・色・香りを選ぶ
  • 疲れた日や外食が続いた後は、出汁や果物などで“味覚リセット”

嗅覚と味覚が整えば、自然と「本当に体が欲しているもの」に気づきやすくなる。


まとめ

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見た目や香りで「美味しそう」に思える食品が、
実際の栄養価や満足度と一致しているとは限らない。

トレーニーにとって重要なのは、
身体の声を聞くセンサー=味覚・嗅覚を鈍らせないこと。

今日の1食で、“刺激の強さ”ではなく“整いの深さ”を選んでみよう。
その積み重ねが、集中力・コンディション・筋肉の成長を支えていく。